さがみはら PTA 適正化 マニュアル

~ まずは相模原市への個人情報「利用停止」請求! ~

「個人情報保護法・改正(R2/R3/R4?)」スケジュール(※改正されまくり中)

「学校からPTAへの個人情報横流し」を禁止する大前提条件である個人情報保護条例のベースとなる個人情報保護法については、「民間部門、行政機関、独立行政法人等に係る個人情報の保護に関する規定を集約し、一体的に規定すること及び事務処理体制の在り方について検討する」という趣旨で、近年、度重なる法改正がなされています。

「学校からPTAへの個人情報横流し」という観点でのポイントとしては、次の通りです。

  • 令和2年改正法: 一度提供した個人情報について(経緯、取られた手続きに関係無く)「自らが必要が無くなった」と判断した場合、個人情報の利用停止請求が可能に(←現状は、不適法取得・利用に対する利用停止請求のみ規定)
  • 令和3年改正法: 自治体の個人情報保護条例について、自治体(学校)がPTAに個人情報を提供することを許容するような「例外規定の制定」や同趣旨の判断を行う「個人情報保護審議会の運用」を原則禁止する形に

詳しくは、次回以降に確認していきます。

 

その改正スケジュールは次の通りです。

 

<令和2年改正個人情報保護法

令和2年6月12日 公布

改正法全面施行は、令和4年春頃

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<出典>個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律の成立を受けた個人情報保護委員会の今後の取組について」(令和2年6月15日)

 

<令和3年改正個人情報保護法

令和3年5月19日 公布

改正法全面施行は、令和4年4月頃(国等) 令和5年春頃(地方)

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<出典>個人情報保護委員会(第190回 個人情報保護委員会)「配布資料2-1 個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(行政機関等編)の策定(案)」(令和3年10月29日)

 

さらに、「令和3年改正個人情報保護法」(案)の政府の閣議決定日(令和3年2月9日)よりも後に、意見募集結果の公示(令和3年2月20日)がなされた、冒頭の個人情報保護制度の見直しに関するタスクフォースが実施した「個人情報保護制度の見直しに関する最終報告」に関するパブリックコメントが存在します。

(※本件、かなり多くの様々な意見が寄せられています)

要は、同パブリックコメントにおける意見は、「令和3年改正個人情報保護法」の法律本文自体には反映されていない訳です。同意見を、(一部もしくは大部分を)ガイドライン等で反映していくのか、更なる改正個人情報保護法に反映されるのか、はっきりは良く分かりません。

 

いずれにしても、令和4年4月以降、PTAや自治体(学校)は、新たな改正個人情報保護法対応が必要になってくるものと考えられます。PTA運営上の結構な変革期が訪れることになります。

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学校からPTAへの個人情報横流しについては、議論・相談・問い合わせをする必要は全くありません!

忘れないうちに、「個人情報保護法/個人情報保護条例」と「PTA、学校(自治体)」との関係・現状の続きの話をしておきます。

今でも、かなり目にするのですが、「学校からPTAへの個人情報横流し」に直面した際に、次のような対応を行う人が非常に多いです。

  • 個人情報保護法違反だから、個人情報保護委員会に問い合わせてみよう
  • 個人情報保護条例違反だから、自治体の個人情報保護担当部署に相談してみよう
  • 個人情報保護条例違反だから、校長先生にお手紙を出そう
  • 個人情報保護条例違反だから、教育委員会に、問い合わせメールを出してみよう

残念ながら、現時点において、これらのアクションは完全に必要ありません。時間の無駄です。

教育委員会自治体の個人情報保護条例を認識できていない時代はもう終わりました。

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基本的に、さきほどのようなケースに直面したら、議論の余地なく、個人情報保護条例違反なので、自治体の個人情報保護条例に基づき(対象事案の証拠書類を添えて)次の書類を自治体の個人情報保護担当部署に提出するだけです。

(なお、2023年4月からは、自治体も、個人情報保護法の対象になります)

保有個人情報利用停止請求書」

つまり、「個人情報利用停止請求」の手続きになります。

(「個人情報中止請求」としている自治体もあります)

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これが、解決の最短ルートです。

簡単です。本当に簡単です。

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「個人情報保護法/個人情報保護条例」と「PTA/学校(自治体)」との関係・現状

このテーマについては、世の中でもう既に何千万回も確認され皆さん周知のテーマですので、さらっと確認するだけにします。

 

基本的に、世の中誰しもが知っていること

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世の中のかなりの人が知っていること

  • PTAは、個人情報保護法に則して、その利用目的を明示し、直接もしくは適切な形で第三者を通じて、個人情報を取得しなければならない

(というプロセスを満たす「入会届」の提出手続きが必要ということ)

 

世の中の一部の人が認識不十分なこと

  • PTAは、個人情報保護法に基づき、個人情報を取得・利用・管理する
  • 学校(自治体)は、自治体の個人情報保護条例に基づき、個人情報を取得・利用・管理する

 

世の中の少なくない人が認識不十分なこと

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  • PTAは、法的設置根拠の無い、学校にとって第三者の任意団体である
  • 学校(自治体)は、本業(学校運営)のために、児童/家庭の個人情報を取得しているのであり、PTAへ提供するために、同個人情報を取得しているのではない
  • 従って、学校がPTAに個人情報を提供するという利用目的を明示せずに取得した児童/家庭の個人情報を、児童/家庭の承諾無しにPTAに同個人情報を提供した場合、
  • 個人情報保護条例違反となり「個人情報利用停止請求」の対象となります
  • (👈世の中の多くの人が誤解していますが、(改正個人情報保護法ではなく)現状の関係法令で「個人情報利用停止請求」が現時点で可能)
  • 同時に、PTAは、個人情報の不法取得になり、個人情報保護法違反となり、同様に「個人情報利用停止請求」が可能となります

 

  • ただ、現時点において、ごく一部の自治体の個人情報保護条例において、PTAへの情報提供を例外的に学校運営の一部と規定しているところや、自治体の個人情報保護審議会が同趣旨の判断を行い例外運用を許容しているところがあります。
  • しかしながら、今般の個人情報保護法の改正に伴い、それらの対応が一斉に許容されない流れとなっています。

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ここで現実的な話をすると、学校から児童/家庭の個人情報を不法取得しているPTAは、入会届非整備の強制PTAであり、自浄能力が欠落しているので、PTAに対して個人情報利用停止請求を行ったところで、実質的な効力は認められないと思います。

従って、個人情報保護条例違反である学校(自治体)を対象に、自治体の個人情報保護担当部署に対して、個人情報保護条例に基づく個人情報利用停止請求の手続きを行う方が遥かに理性的な対応が得られます

というのが「個人情報保護法/個人情報保護条例」と「PTA/学校(自治体)」との関係・現状ですが、今、まさに個人情報保護法の改正が度重なる形で行われているので、次回以降は、その改正の動向、改正がPTAと学校にどのように影響を与えるかについて確認していきましょう。